「車券が当たったら誰がどこで払い戻ししてくれるの?」
「競輪の払戻金に税金がかかるって本当?」
公営ギャンブルの中でも、近年ファンが増加傾向にあるのが競輪です。競輪は公営ギャンブルですので、当然予想が的中すれば払い戻し金を受け取ることができます。ではこの払戻金はどこでどのように受け取れるのでしょう?
また、競輪の公式HPなどには必ずと言っていいほど国税庁HPのリンクが貼られています。これは競輪で勝った金額は課税対象になるからです。
この記事では、競輪の車券の払い戻し場所、方法、そして納税義務に関して簡単にまとめていきます。
せっかく当たったのに払い戻しができなかった、やり方が分からないということがないように、また競輪で勝ったら国税局から問い合わせが来たなどと慌てることがないように、その内容をしっかりと把握しておきましょう。
最初にこの記事で紹介する3つの注意ポイントをまとめておきます。
- 競輪場で購入した車券は基本的に購入した競輪場でしか払い戻しできない
- インターネット投票の場合は、ポイント制のサイトでの払い戻しに注意
- 払戻金額は基本的に課税対象
この3つの注意点を中心に解説していきましょう。
競輪の払い戻しを受けられる場所
※画像出典:KEIRIN.JP【KEIRIN GUIDE】~投票に挑戦! 車券の買い方~
競輪の予想が的中し、当たり車券を手にしたら払い戻しをして現金に換える必要があります。例えば中央競馬の場合、馬券は全国の競馬場及び場外馬券場で購入でき、その払い戻しもすべての競馬場、場外馬券場で行うことができます。
これは中央競馬が国が管轄するギャンブルであるためでしょう。中央競馬の運営管理を行っているのはJRA(日本中央競馬会)であり、このJRAは国が100%出資している特殊法人。細かく言えば農林水産省の外郭団体となります。
つまり中央競馬は「ほぼ国営」のギャンブルであり、すべての競馬場の運営管理も「国」の外郭団体が一括で行っているため、どこで買った馬券でも、日本全国どこでも換金できるということになります。
一方競輪は「公営ギャンブル」です。中央競馬と同様に国が定めた法律(競馬は競馬法、競輪は自転車競技法)に則り運営されていますが、主催団体は国の外郭団体ではなく各地方自治体となります。そのため各競輪場の運営管理も自治体ごとに行うことになり、全国一括で行っているというわけではありません。
ほぼ国営の中央競馬と、公営の競輪では払い戻しに関しても違いがありますので覚えておきましょう。
車券を購入した競輪場
実際に競輪場に行って車券を購入した場合、当たり車券を換金できるのは、車券を購入した競輪場というのが基本となります。上でも簡単に説明した通り、競輪は公営のギャンブルですので、ほかの地方自治体が運営管理する競輪場などでは換金できないケースがほとんどです。
「買った競輪場に払い戻し機があるから別にそれで問題ないだろう」
多くの方はこう思うでしょう。もちろん、ほとんどのケースでは問題は発生しません。しかし特殊なケースで問題が発生するケースも考えられます。
例えば東京在住の方が旅行で広島へ。旅行の間に広島競輪場で車券を購入したものの、その後の旅行スケジュールの関係でレース結果を見ずに移動、そのまま帰京となったとします。東京に戻ってから広島競輪場で購入した車券が当たっていることを知ったら、払い戻しのために広島まで行かなければいけないということになりかねません。
もちろんこうしたケースでも対応できるように、全国の競輪場では、払い戻しが可能な特定の払い戻し場所を設定しています。これは競輪場ごとに定められていますので、事前に競輪場などで問い合わせておきましょう。
全国の場外車券場
※画像出典:ラ・ピスタ新橋HP
全国には60ヶ所以上の場外車券場があります。場外車券場では、場外車券場で購入した車券、また全国の競輪場で購入した車券の払い戻しが可能です。お近くに場外車券場があるという方は、こちらで払い戻しをするという方法があります。
場外車券場の所在地に関しては以下の記事で詳しく紹介していますので、ご自宅の近くにないか確認しておきましょう。
インターネット投票は口座へ振込
※画像出典:KEIRIN.JP【操作ガイドヘルプ】
競輪の車券投票は、競輪場、場外車券場で購入する以外にも、インターネット投票という方法があります。インターネット投票を取り扱うサイトは10個以上あり、こういったサイトに登録することで、日本全国どこからでも車券購入が可能となります。
インターネット投票で購入した車券が的中した場合は、どのように払い戻しを受けるのかを確認しておきましょう。
基本的に即反映可能
インターネット投票の場合、車券が的中したら即ネット上で反映されます。投票した方が何かしらの操作をしなくても、自動で反映されるため、紙の車券を購入するよりも非常に手軽ということになります。
多くの投票サイトでは、銀行口座を紐づけることが必要になります。投票するのも、払い戻しを受けるのも、この登録した銀行口座に入出金という形になります。
一般的には、投票を行う際、登録している銀行口座から投票サイトへ投票用の資金を一旦移します。そして移した資金で投票を行います。払い戻しも同様で、車券が的中した場合、一旦投票サイト内にプールされます。
投票が終わり、資金や的中した払戻金を自身の口座に戻したい場合は、2つの方法があります。ひとつは「何もしない」こと。多くの投票サイトでは、その日のレースが終了すると、自動的にサイト内にプールしていた資金をすべて銀行口座に戻すという作業を自動で行ってくれます。つまり何もしなくても1日が終われば口座に資金が戻っているということになります。
自動精算よりも早く銀行口座に資金を戻したい場合は、自分で精算指示を出すことで精算が可能です。ただし、精算指示が即反映され、口座に戻るかどうかはそのサイト次第、利用している口座次第となりますので、ご利用のサイトを確認しておきましょう。
ポイント制のサイトでは注意が必要
競輪投票サイトの一部では、電子マネー(独自のポイント)で車券を購入するサイトがあります。こうしたポイント制を採用しているサイトでは、一旦ポイント化した資金は現金に戻せないというケースもありますので注意が必要です。
ポイント制の投票サイトでも、もちろん払戻金を以降のレースの軍資金にすることはできます。例えば3レースで的中して払い戻された10,000円を、以降のレースの軍資金にしようとポイント化したとしましょう。
しかし以降のレースでは結局5,000円分しか購入せず、残り5,000円分のポイントが残ったとします。この残ったポイントは現金化できないケースがほとんどです。
もちろんポイントとしては残りますので、翌日以降のレース投票には利用可能ですが、その場で現金化はできないケースがほとんどですので、払戻金を以降の軍資金にする場合は、十分注意しましょう。
払い戻しには有効期限がある
競輪の車券には払い戻し有効期限があります。この期限が、レース結果が出てから60日間以内というもの。約2ヶ月で有効期限は切れ、その後は払い戻しが一切不可能となりますので、的中車券を持っている方は注意しましょう。
有効期限と同時に知っておきたいのが車券の保管に関して。競輪場や場外車券場で購入する紙に印刷された車券は、著しい破損、および紛失があった場合は換金ができません。
紛失に関してはいかなる理由があっても車券の再発行はされません。破損に関してはその程度により扱いが変わります。買い目や購入金額などが機械で判別でいる、機械では判別できなくとも、係員の目視や販売データから車検の内容が確定できる場合は払い戻しが受けられます。
ただし、一部でも判別不能の場合、一見そこまで破損していない車券でも現金化できないケースがありますので、車券の保管はしっかり行いましょう。また、こういったケースが発生しないように、できるだけ早い現金化がおすすめとなります。
車券の払い戻しは課税対象
競輪の車券が的中し、払い戻しを受けた金額は「課税対象」となります。競輪に限らず公営ギャンブル(競馬・競輪・競艇・オートレース)の払戻金は課税対象であり、年間の払い戻し総額が50万円以上になると、税金を支払う義務が生じる可能性があります。
ちなみに税額の計算法は以下の通り。
- 1年間の払い戻し総額を算出
- 的中した車券の購入金額を算出
- (払い戻し総額-購入金額)が一時所得となる
- 一時所得の控除金は50万円
- (払い戻し総額-購入金額-50万円)がプラスになったら、プラスになった分の1/2が課税対象となる
分かりにくいかもしれませんので、実例を挙げましょう。年間の払い戻し総額が200万円、その的中車券を購入するのに50万円を投資していたとしましょう。この場合、200万円-50万円の150万円が一時所得となります。
一時所得の控除金は50万円ですので、150万円-50万円で100万円。この100万円の1/2である50万円が課税対象となります。納税額はこの50万円に税率を掛けて算出。確定申告の際にこれらのデータを添えて納税する必要があります。
ハズレ車券は経費にならないので注意
この車券の払い戻しに対する課税に関しては注意すべきポイントがひとつ。それは「ハズレ車券への投資額は経費にならない」ということです。
例えば上の例(年間50万円の投資金で200万円の払い戻し)で、的中した車券に投資したのは50万円でも、そのほかハズレ車券に200万円投資していたとしましょう。この場合この人の年間収支は250万円投資して200万円回収ですから、マイナス50万円となります。
しかしハズレ車券に投資した200万円が経費にならないと、車券の収支はマイナスなのに納税もしなくてはいけないということになります。
ちなみに競輪で大きく勝った方が納税をしている事実はほとんどありません。正確にはほとんどありませんでした。これは、競輪はもともと競輪場や場外車券場で紙の車券を購入していたからです。紙の車券は、個人情報を晒さずとも購入できますので、誰がいついくら買ったかは、本人にしかわかりません。そのため国税局も調査のしようがないわけです。
しかし近年ではインターネット投票が増えてきました。インターネット投票はそもそも登録する際に個人情報を提供しており、インターネット投票で目立つ払い戻しを受けている方は今後国税庁の調査対象になるかもしれません。
競輪の払戻金は課税対象であり、ハズレ車券への投資金に関しては、現状経費とはならない可能性が高いということは理解しておきましょう。
まとめ
競輪は各地方自治体が主催する公営ギャンブルのため、競輪場で購入した車券は、同じ競輪場でしか払戻金を受け取れないというのが基本です。ただし、場外車券場や、競輪場が指定する特定の払い戻し所であれば、払い戻しを受けることができます。
払い戻しを受けた金額は課税対象であり、年間50万円以上の払い戻しがあった方は課税対象になる可能性があるので注意しましょう。
ちなみに競輪場や場外車券場での払い戻しは自動精算機で行いますが、1枚の車券の払戻金が100万円を超える場合、専用の窓口で受け取ることになります。この高額払い戻し専用窓口は、多くの競輪ファンのあこがれの的。競輪を楽しむ以上、ひとつの目標として狙っていきましょう。
もちろん高額払い戻しを受けた方は、納税の方も忘れずにお願いいたします。