「競輪ってどのくらいの配当が出るの?」
「競馬や競艇と比べると配当は大きい?小さい?」
競輪を始めるかどうか迷っている方、またキャリアの浅い方はこのような疑問を持つかもしれません。競輪の配当の大きさに関しては、「賭け式次第」というのが正直なところですが、一般的には「競艇よりも高く、競馬よりも低い」と考えて問題ないでしょう。
とはいえ競輪には夢がないかといえばそんなことはありません。日本の公営ギャンブルにおける最高配当金を叩き出しているのは実は競輪。その金額は驚異の9億円オーバーです。まさにジャンボ宝くじ以上の破壊力。そんな底力が競輪にはあります。
そこで競輪における最高配当や、高配当の出やすい条件、狙い方などに関してまとめていきましょう。
競輪を楽しみながら夢のある車券を手にできるよう、高配当のにおいをかぎ分けられるようになりましょう。
賭け式別最高配当
競輪には7つの賭け式があります。それぞれの特徴に関しては詳しく説明しませんが、まずは賭け式別の歴代最高配当を確認しておきましょう。
データは2022年3月3日現在。こちらの手作業で調べていますので、もしここに紹介している以上の配当があった場合もご容赦いただけると助かります。
賭け式 | レース日 | 競輪場 | グレード | 配当金 |
2枠複 | 2006年3月29日 | 小田原競輪場 | FⅠ | 108,000円 |
2枠単 | 2002年5月17日 | 立川競輪場 | FⅡ | 270,470円 |
ワイド | 2016年4月24日 | 松阪競輪場 | FⅡ | 104,970円 |
2車複 | 2014年4月1日 | 立川競輪場 | FⅠ | 294,600円 |
2車単 | 2008年10月23日 | 立川競輪場 | FⅡ | 778,050円 |
3連複 | 2016年4月15日 | 松戸競輪場 | FⅠ | 595,650円 |
3連単 | 2006年9月21日 | 奈良競輪場 | FⅡ | 4,760,700円 |
配当金は100円賭けた場合の払戻金となります。つまり3連単の最高配当の場合、100円玉1枚がレース後には476万円の札束になっていたということになります。
競輪で特徴的なポイントは、賭け式別の歴代最高配当が出たレースがすべて違うレースであるということ。競馬などの場合は、大荒れのレースがあるとあらゆる賭け式で最高配当となりやすいもの。
競輪ファンは、1つのレースで複数の賭け式で狙うというケースが少ないのかもしれません。2車複を買ってさらに3連単も購入するというファンが少ないため、最高配当のレースがバラついていると考えられます。
ここまではどんな条件でも買える賭け式に限った最高配当。ここからは条件を満たせば購入できる重勝式の最高配当をチェックしておきましょう。
重賞式最高配当
※画像出典:KEIRIN.JP【KEIRIN GUIDE】~Dokanto!~
重勝式とは、複数のレースの勝利選手、もしくは2車複の買い目を連続で的中させるという方式の車券。Dokanto!やチャリロト、Kドリームス重勝式、オッズパーク重勝式などがあります。
車券の名称を見てもわかる通り、重勝式は主にインターネット投票で購入できる車券であり、投票サイトによって取り扱っている重勝式車券の種類にも違いがあります。
重賞式車券 | 投票できるサイト |
Dokanto! | ・KEIRIN.JP ・チャリロト ・Kドリームス ・オッズパーク ・DMM競輪 ・GanBoo ・\JOY |
チャリロト | ・チャリロト ・DMM競輪 |
Kドリームス重勝式 | ・Kドリームス ・\JOY |
オッズパーク重勝式 | ・オッズパーク |
重勝式にもいろいろな種類がありますが、そんな重勝式の最高配当を叩き出したのがチャリロト。チャリロトは後半7レースの勝利選手を連続で的中させる車券で1口200円。選手の予想はできず、完全ランダムで発売されますので、まさに宝くじのような車券です。
このチャリロトの歴代最高配当が出たのが2010年10月21日の平塚競輪。2年4か月にわたり貯まっていたキャリーオーバーが話題となり、多くの方がチャリロトを購入しましたが、的中した方は1人。その配当金額が9億598万7400円でした。
万馬券や宝くじなども霞む高額配当。ほかにも重勝式では億を超える配当が複数回出現しており、資金に余裕があるときはぜひ買っておきたい車券となっています。
高配当を狙える競輪場の特徴4つ
重勝式、特に億を超えるような配当の車券は、基本的に自分で選べないランダム方式のものとなります。当たるかどうかはすべて運任せの車券ですので、研究しようが勉強しようが的中率は上がりません。
そこでここからは、自分で予想して当てられる高配当に注目。今回は特に競輪場の特徴に注目してみました。
日本全国に43ヶ所ある競輪場。バンクのサイズや立地条件、さらに気候条件などによって、荒れやすい競輪場、荒れにくい競輪場がありますので確認しておきましょう。
風の強い競輪場
競輪というスポーツにおいて、結果に大きな影響をもたらす自然現象が「風」です。競輪では序盤ラインを形成して走りますが、これも番手選手が風の抵抗を受けずに走れるメリットがあるためでもあります。
つまり風が強い競輪場は、その風の影響で予想通りの結果にならないケースが多いということになります。
また、風は吹く方向によってもレースに与える影響は変わります。バックストレッチで追い風となるようなケースでは、捲りを狙うラインの選手に有利になりますし、ホームストレッチで追い風となるようなケースでは、先行ラインの番手選手に有利になります。
風の強さだけではなく、その向きなどにも注目するといいでしょう。
日本全国の競輪場で、風が強い競輪場、および風の影響が強いといわれている競輪場をいくつか紹介しておきましょう。
★松阪競輪場(三重県)
伊勢湾に近い競輪場であり、海からの風の影響が強い競輪場として知られています。同じく伊勢湾に近い四日市競輪場(三重県)にも同様の傾向が見られますが、立地の関係か松阪競輪場の方が荒れやすいといわれています。
★小松島競輪場(徳島県)
海に近いといえばおそらくもっとも近い位置にあるのがこの小松島競輪場です。しかも神田瀬川が海に流れる河口付近でもあるため、海風の影響は少なくありません。
★別府競輪場(大分県)
別府湾に面した位置にある別府競輪場は、そもそも風が強いうえに、周辺の立地条件、地形条件のせいか、バンク上を直接風が吹き抜ける競輪場ともいわれており、少しでも風が強い日には、荒れやすい競輪場といわれています。
雨が多い競輪場
雨が多い競輪場に関して調べてみましたが、ドーム型の競輪場である小倉競輪場、前橋競輪場、そしてTIPSTRA DOME CHIBAを除くと大きな差はみられませんでした。
ちなみに雨の日の競輪は堅い決着が多いといわれています。これは、雨で滑るバンク、そして視界不良などの条件となるため、選手が比較的安全にレースを終わらせ、落車しないように気を付けるためといわれています。
しかし雨の日の常識はそれだけではやや足りません。確かに堅い決着は多いものの、荒れるときは思いっきり荒れる傾向が見えるのも雨の日の特徴です。
荒れるケースの多くは、若手選手が躍動するレース。通常のレースではなかなか結果が出ていない若手選手にとっては、雨を理由にほかの選手が堅実なレースをするのであれば好都合。落車覚悟の大勝負を打ち、それが決まりやすいのも雨の日となります。
特に上で紹介した風の強い競輪場で雨が降った場合は、雨と強風で選手はより保守的な走りになりがちです。こういうときこそ一発狙いをしそうな若手選手を見つけるチャンスといえるでしょう。
見なし直線の長い競輪場
全国に43ヶ所ある競輪場は、バンクの大きさがそれぞれ違います。さらに同じ大きさのバンクでも、みなし直線の距離に違いがあります。
みなし直線とは、4コーナーの立ち上がりからゴールラインまでの距離。つまり最後の直線となる距離です。この距離によってもレースの動きは大きく変わります。
一般的にバンクサイズの大きい500mバンクほどみなし直線は長く、バンクサイズの小さい333mバンクほどみなし直線は短くなります。そしてみなし直線が長いと捲り・追い込みが利きやすく、みなし直線が短いと逃げ・先行が有利といわれています。
みなし直線の長いバンクでは、基本的に最後の直線のために脚を残そうという意識が働き、結果レース展開はゆっくりな展開となりがちです。つまりどの選手もラストスパートがしやすい状態ということになります。
この緩やかな展開が波乱を演出することは少なくなく、みなし直線の長い競輪場は、それだけでも波乱の可能性が高い競輪場と呼ぶことができるでしょう。
全国の競輪場におけるみなし直線の長い競輪場が以下の競輪場になります。
競輪場 | バンクサイズ | みなし直線の長さ |
熊本競輪場(熊本県) | 500m | 69.5m |
大宮競輪場(埼玉県) | 500m | 66.7m |
武雄競輪場(佐賀県) | 400m | 64.4m |
宇都宮競輪場(栃木県) | 500m | 63.3m |
弥彦競輪場(新潟県) | 400m | 63.1m |
特に注目したいのが400mバンクの武雄競輪場と弥彦競輪場。バンクサイズと比較しても直線が長く、その分コーナーがキツい設計になっています。非常に波乱が起きやすい競輪場といえるでしょう。
上記に当てはまらない333mバンク
※画像出典:奈良けいりんHP
上記に当てはまらないバンクを加えてしまうとすべてのバンクとなりそうですが、特に注目したいのが333mバンク。ちなみにみなし直線の短い競輪場TOP5も確認しておきましょう。
競輪場 | バンクサイズ | みなし直線の長さ |
小田原競輪場(神奈川県) | 333m | 36.1m |
奈良競輪場(奈良県) | 333m | 38.0m |
松戸競輪場(千葉県) | 333m | 38.2m |
佐世保競輪場(長崎県) | 400m | 40.2m |
防府競輪場(山口県) | 333m | 42.5m |
この表を見てすでに気づいている方もいらっしゃるかもしれません。最初に紹介した「賭け式別最高配当ランキング」の舞台になった競輪場がここに複数含まれています(小田原・松戸・奈良)。
バンクサイズが小さく、みなし直線も短い競輪場は、先行有利であり比較的堅く収まる傾向が強いのは間違いありません。多くの競輪ファンもそう考えて車券を予想するため、ひとたび荒れるととんでもない荒れ方をするという特徴もあります。
一般的には堅めの決着が多い競輪場で、あえての穴狙いは、超高配当を目指すうえで避けては通れない道かもしれません。
高配当の狙い方
では実際に高配当を狙うにはどうしたらいいか?ちょっと想像すれば、まずは配当の高い三連単を狙う、荒れそうなレースを狙うということはわかるかと思います。
さらにこの記事で紹介したようなバンクが特徴的である、雨風などの条件が揃っているというのも考慮に入れるべきポイントでしょう。
さらに具体的な狙い方や考え方に関しては、以下の記事でもしっかり解説していますので、よろしければ参考にしてみてください。
競輪における万車券発生率は約40%!万車券狙って獲る方法を徹底解説
まとめ
※画像出典:KEIRI.JP
競輪における最高配当は9億円を超える超高配当。これは公営ギャンブルにおける配当金のレコードでもあります。
さらに全レースで予想して狙える賭け方でも、最高470万円超えを記録するなど、競輪は非常に夢のあるギャンブルと見ることができます。
もちろんこれらは「歴代最高」の配当であり、しょっちゅう出るものではありません。通常のレースは冷静に強い選手を見極めて購入し、いざ荒れると踏んだレースでは思い切った狙いをしていくのがいいでしょう。